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日本をめぐる旅〜城下町、金沢

日本をめぐる旅〜城下町、金沢

石川県のほぼ中央に位置する金沢。古き良き時代の面影を今に残し、日本らしさを感じられる城下町である。江戸時代から積み上げられた伝統文化が今なお息づく。2015年に北陸新幹線が金沢まで開通したことにより、国内外から訪れる観光客が後を絶たない。今回は、かつて加賀百万石といわれて栄えた金沢の魅力に迫ってみよう。

 

金沢の歴史

金沢の歴史は、戦国時代に浄土真宗の金沢御堂が建立されたことから始まる。当時は寺院を中心に形成された寺内町に過ぎなかった。その後、1580年に織田信長軍の武将である佐久間盛政が金沢御堂を攻略し、金沢城を築城したものの、1583年の「賤ヶ岳(しずがたけ)の戦い」で羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)に敗れて刑死。そこで秀吉は金沢城を前田利家に与えた。これが加賀藩(金沢藩)誕生のルーツである。

加賀藩の初代藩主、前田利家が金沢城に入城すると、本格的な城づくりが行われ、城下町の基礎が築かれた。2代藩主利長の時代には能登、越中にまで領地を広げ、「加賀百万石」と称される大藩へと発展を遂げる。「石」とは米の生産量の単位のこと。1石は約150kgに相当するので、加賀藩にはその百万倍もの石高があったわけだ。

文武両道の家風であった前田家は、文化・伝統工芸・芸能の育成に豊富な財力を惜しみなく注ぎ込んだ。武家の嗜みとして茶の湯を奨励し、美術工芸品の収集に力を入れた。また、京都や江戸から一流の芸術家や名工を招き、地元職人の指導にあたらせて技術の定着を図ったという。その結果、金箔、加賀友禅、九谷焼、金沢漆器など、さまざまな文化が金沢の地に花開いた。多彩な伝統工芸は今も脈々と受け継がれている。

 

金沢のおすすめ観光スポット

兼六園

江戸時代を代表的する池泉回遊式の庭園で広さは約11.7ヘクタール。水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並んで日本三名園の一つに数えられ、国の特別名勝に指定されている。四季折折々の美しさがあり、いつ訪れても楽しめる。

ひがし茶屋街

もともとは江戸時代に加賀藩が設置した遊郭だったが、格式の高い茶屋街へと発展した。石畳の両側に出格子がある町家が軒を連ね、昔ながらの風情ある城下町の街並みを残す。金沢屈指の観光スポットで、多くの観光客で賑わう。

野村家武家屋敷跡

加賀藩重臣、野村伝兵衛信貞の屋敷跡を公開。野村家伝来の刀剣や甲冑、加賀藩のお抱え絵師による襖絵が見どころだ。2階には茶室があり、美しい庭園を眺めながら抹茶と菓子をいただくことができる。

金沢城公園

加賀藩前田家の居城跡を整備して作られた公園で、復元された五十間長屋や菱櫓、橋爪門続櫓が見どころ。白漆喰や白い瓦屋根など、見目麗しい外観が特徴だ。

妙立寺(忍者寺)

3代藩主前田利常の命により創建された。落とし穴や隠し扉など、敵から身を守るためのさまざまな仕掛けが施されており、忍者寺と呼ばれている。

 

金沢で楽しめる体験型観光

金沢では、さまざまな伝統文化を体験できる。せっかく金沢を訪れたのなら挑戦してみてはいかがだろうか。

金箔貼り

全国で生産される金箔のうち、99%のシェアを誇る金沢箔。そんな金沢箔を使った「金箔貼り体験」ができる。小箱や手鏡など、好みのアイテムに金箔を施してみよう。

和菓子づくり

日本三大菓子処の一つである金沢で、美しい上生菓子や落雁をつくってみてはいかがだろうか。菓子職人が丁寧に教えてくれるから、初心者でも安心だ。

友禅染

ぼかしを特徴とした加賀友禅の染付体験もおすすめ。ハンカチやバッグ、ポーチなどを好きな型に染めることができる。

 

金沢の町には歴史遺産や風情ある町並みが今なお数多く残っており、訪れる人々を魅了してやまない。城下町をゆっくり散策して、古都の風情を感じてみてはいかがだろうか。金箔貼りや和菓子作りなど、金沢ならではのものづくり体験もぜひ楽しんでいただきたい。

 

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